日本大百科全書(ニッポニカ) 「桐油(きりゆ)」の意味・わかりやすい解説 桐油(きりゆ)きりゆtung oil アブラギリなどの種子から圧搾法により得られる乾性油。桐油(とうゆ)ともいう。核の含油量は50~60%である。ヨウ素価140~180。中国桐油は、他国産に比し品質がよい。エレオステアリン酸(共役トリエン酸であり、3個の二重結合が隣り合って存在する)を主成分として含む。酸化重合しやすく乾燥性はきわめて速やかであり、乾燥膜に小皺(こじわ)を生ずる。酸化重合度は大であり、乾燥膜の耐水性や硬度は他の塗料油より高い。あまに油と混合あるいはスタンド油処理などを行えば小皺を生じない。毒物を含むので食用とはならず、ワニスなどに用いる。[福住一雄] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例