けた【桁】
〘名〙
① 家や橋などの柱の上に渡してその上にのせる梁(はり)を受けさせる材木。桁貫。
※万葉(8C後)一一・二六四四「小墾田(をはりだ)の板田の橋の壊れなば桁(けた)より行かむな恋ひそ吾妹(わぎも)」
② かたわら。そば。
※堀河百首(1105‐06頃)春「とりつなげ玉田横野の放れ駒つつじがけたにあせみ花咲く〈源俊頼〉」
③ そろばんの珠を貫く縦の串。また、そろばんの位取り。
※浮世草子・好色万金丹(1694)五「そろばんの桁(ケタ)が違ふた」
④ 一、十、百、千などの数の位。位取り。
※西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉五「国を富ますが専要と、胸勘定の桁(ケタ)をつばめて」
⑥ 木または鉄製の枠でできた漁具。海底をひきまわし、これについている爪
(つめ)で貝類をかきおこし、また、
テングサなどをかきとる。→
桁網(けたあみ)
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桁
けた
girder
水平にかけ渡された梁(はり)で、とくに大規模なもの、構成が複雑なもの、または他の梁を支持する役割を果たすものをいう。梁形式の橋を桁橋(けたばし)といい、主桁、縦桁および横桁で構成される。木造真壁(しんかべ)造や大壁(おおかべ)造では、軒に沿う方向の外周柱の上に水平にかけ渡される横材で、柱頭を連結し、かつ小屋梁や小屋トラスの端部を支持するものを軒桁という。
[中村恒善]
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デジタル大辞泉
「桁」の意味・読み・例文・類語
けた【桁】
1 家などで、柱の上に横に渡して垂木を受ける材。梁と打ち違いになる。
2 橋で、柱脚上の長手方向にあって橋板を支える水平材。はしげた。
3 そろばんの珠を縦に貫く串のような棒。
4 位取り記数法によって数を表したときの、並んでいる数の位置。位。「桁を間違える」
こう【桁】[漢字項目]
[常用漢字] [音]コウ(カウ)(漢) [訓]けた
〈けた〉
1 柱や橋脚などの上にかけわたす横木。「軒桁・橋桁」
2 そろばんの玉をつらぬく棒。転じて、数の位。くらいどり。
〈コウ〉衣装掛け。「衣桁」
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桁【けた】
家屋,橋などで柱・壁・橋脚などの上にかけ渡し,他の部材を受ける横木をいう。洋風木造などで煉瓦の上などに渡して梁(はり)をささえる敷桁,建物の長手方向にかけた軒桁,下屋(げや)をささえる縁桁など種々ある。
→関連項目懸魚|桁橋|小屋組み|肘木|連続橋
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けた【桁】
橋や建物などの構造物の柱頭をつなぎ、上部の荷重を支える水平部材。特に、木造の日本建築では、棟(むね)と平行に渡して垂木(たるき)を受けるものをいい、棟と直角に渡す梁(はり)と区別する。
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けた【桁 girder】
建物,橋などにおいて,屋根,床などの荷重を柱,橋脚などの鉛直部材まで伝えたり,柱上部を拘束する目的で水平にかけわたされた部材の名称。元来は,水平部材のうち,構造物の短辺方向にかけわたしたものを梁(はり),梁に交差する方向に配置され,梁を受ける部材を桁と呼んでいた。最近では特別な場合を除き区別しないことが多いが,木造建築においては,梁と区別し,小屋梁および垂木を受ける部材を指し,用途または部位を冠して,敷桁,軒桁などと呼ばれる。
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世界大百科事典内の桁の言及
【社寺建築構造】より
…なかには双堂(ならびどう)のように,二つの屋根の軒先を接するようにして奥行きの深い建物をつくる例もある。屋根の棟に平行な方向を桁行(けたゆき)と呼び,これと直角な方向を梁行(はりゆき)と呼ぶ。また出入口が桁行方向の側面にあるものを平入り(ひらいり),梁行の側面にあるものを妻入り(つまいり)と呼ぶ。…
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