精選版 日本国語大辞典 「格」の意味・読み・例文・類語
かく【格】
こ【格】
きゃく【格】
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言語学の用語。文の中で,名詞や代名詞(または名詞句)の表す事物と,別の名詞などの表す事物,あるいはその文の述語の表す動作や属性との間の関係は,言語によって異なる方法で表される。最も一般的な用法では,そうした関係が名詞や代名詞の語形変化という形で表される場合に〈格〉という用語が使われる。たとえば,ラテン語でpuellamは〈少女を〉といった意味で,その〈を〉に該当するのは-(a)mのあたりであり,かつ,前の部分(語幹)との間の境界線があまり明確でない。ラテン語文法では,このようなpuellamと同様の機能を有する名詞活用形を〈対格〉と呼んでいる。対格を表す語尾は名詞によって一様ではない。ラテン語では,こういった格が六つ区別されている。しかし,一方,そのような関係が単語といえるものによって表される場合にも,〈格〉という用語が使われることがある。たとえば,大まかにいってある動作の向かう対象を表す,日本語の〈を〉などは〈格助詞〉と呼ばれる。さらに,上述の関係それ自体を,それがどういう手段で表されるものであれ,〈格(関係)〉と呼ぶ考え方がある。ただし,言語によって非常に異なった表れを無限定に同一術語で呼ぶことには問題があり,少なくとも,(1)語形変化が問題のもの,(2)単語が用いられるもの,(3)名詞などの位置でそうした関係が表されるもの,は言語の本質上かなりちがったものであることを明確にしておく必要があろう。
しかし,すべての言語が上の三つのどれか一つだけを用いるというわけではない。第1に,そうした関係をすべて名詞などの位置で表し分けることは不可能であり,(3)だけを用いることは不可能である。たとえば,(3)を用いる英語などにも前置詞,つまり(2)の例や〈所有格〉や〈目的格〉(代名詞のみ),つまり(1)の例がある。第2に,(1)とか(2)が存在しても,(3)があってはならないことにはならない。ドイツ語では,英語に比して(1)の意味での〈格〉を保存しているのに,名詞の位置もある場合に有意味である。第3に,単語を用いるといってよいのか語形変化であるといってよいのか判然としない場合がある。たとえば,チベット語では,〈…の〉を表す場合,名詞が子音または長母音で終わっている場合には単語といえるものがつくが,短母音で終わっている場合には融合長母音に変化することによってそれが表される。kong(彼)→kong gi(彼の);nga(私)→ngää(私の)。第4に,(1)と(2)を組み合わせて,ある関係を表すことも可能である。ドイツ語のauf dem Boden(三格,〈床の上に〉-静止),auf den Boden(四格,〈床の上へ〉-方向)。
個々の言語において,上述のような関係がどのように区分され,また,何によって表れているか,述語の動詞などの形との関係はどうであるのか,といったことは,きわめて重要な問題の一つである。
執筆者:湯川 恭敏
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律令の規定を修正したり補足するため制定される単行法,ないしそれを編纂した法令集。中国の隋・唐では律令と同時に格も編纂されたが,日本では編纂が遅れ,9~10世紀初頭に弘仁格・貞観格・延喜格のいわゆる三代格が編纂された。その際に単行法としての当初の形が変更される場合があった。体裁は式と同じく官司ごとに分類されたが,現在は弘仁格の目録が「弘仁格抄」として伝わるのみ。ただし内容は11世紀の「類聚三代格」や諸書所引の逸文から知られる。
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… また,ゴリラやチンパンジーは毎日夕方に樹枝で就眠用の〈巣〉を造る(鳥についてはこのようなものは〈ねぐら〉または〈ねぐら穴〉と呼んで巣とはいわない)。このように,繁殖とは関係がなくとも,みずから造る構造物であれば巣と呼ぶことも一方では行われて,アリジゴクの巣,クモの巣web,トビケラの巣caseなどにまで概念が拡張されている。動物の中で手の込んだ顕著な巣を造るものは,哺乳類(カヤネズミ,ビーバーなど),鳥類(ハタオリドリが有名),魚類(トゲウオなど),昆虫類(シロアリ,ミツバチなど),クモ類などであるが,これらの動物が示す造巣行動(造巣技術nest‐building)は古くから博物学者の注目を浴びてきた。…
※「格」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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