根本通明(ねもとつうめい)(読み)ねもとつうめい

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

根本通明(ねもとつうめい)
ねもとつうめい
(1822―1906)

明治の漢学者。字(あざな)は子龍、号は羽嶽(うがく)。文政(ぶんせい)5年2月15日、秋田の刈和野(かりわの)に生まれる。藩校明徳館教授から学長となる。1874年(明治7)東京に移籍。1886年御進講。1896年帝国大学文科大学(現、東京大学文学部)教授。1899年文学博士。明治39年10月3日没。勲四等瑞宝章(ずいほうしょう)、従(じゅ)四位。閑院宮(かんいんのみや)より「前賢未発」の親筆を賜る。四書五経から諸子の老荘まで該博精確な読書家で、とくに『易』『論語』につまびらかであった。その勤王思想から、『易』は革命の書にあらずという。講義は明晰(めいせき)で、門生数千と伝えられる。講友に中村正直(なかむらまさなお)、島田篁村(しまだこうそん)(重礼(ちょうれい))、重野安繹(しげのやすつぐ)などがいた。武技にも長じ、刀剣を趣味とした。著書に『周易復古筮(ぜい)法』『論語講義』『周易象義辯正』などがある。

[宇野茂彦 2018年10月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android