核原料物質(読み)カクゲンリョウブッシツ

デジタル大辞泉 「核原料物質」の意味・読み・例文・類語

かくげんりょう‐ぶっしつ〔カクゲンレウ‐〕【核原料物質】

核燃料原料となる鉱石ウラントリウムまたはその化合物を含む鉱石を指し、ピッチブレンドモナザイトモナズ石)、トール石などがある。

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化学辞典 第2版 「核原料物質」の解説

核原料物質
カクゲンリョウブッシツ
nuclear source material

法律用語.昭和30年制定の原子力基本法第3条第3号に「核原料物質とは,ウラン鉱,トリウム鉱その他核燃料物質の原料となる物質であって,政令で定めるものをいう」とある.昭和32年制定の核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第61条の2によれば,「放射能濃度または含有するウラン若しくはトリウムの数量が政令で定める限度を超えないもの以外は,使用する場合,あらかじめ文部科学大臣に届け出なければならない」とされている.限度は核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律施行令第39条で,「放射能濃度については74ベクレル毎グラム(固体状の核原料物質にあっては,370ベクレル毎グラム)とし,ウランまたはトリウムの数量については,ウラン量に3を乗じて得られる数量若しくは,トリウムの量又はこれらを合計した数量で900グラムとする」となっていて,違反すると,50万円以下の罰金(法律第79条)に処せられる.国際原子力機関が1996年に刊行した「国際基本安全基準」は,国際免除レベルとして,1×104 Bq 以下を提示しており,これをウランに当てはめると1 g,トリウムでは3 g に相当し,この値に準拠して規制対象を広げる検討が進められている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「核原料物質」の意味・わかりやすい解説

核原料物質
かくげんりょうぶっしつ
nuclear source material

ウラン鉱,トリウム鉱など,ウラン,トリウムの化合物を含み,加工処理を施すと核燃料物質になる物質。日本では原子力基本法第3条3項で定義され,詳細は政令で定められる。核兵器不拡散条約 NPT保障措置を決められた国際規制物資に相当し,核兵器などに使う道を閉ざすため,所持,使用に制限がつけられる。

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世界大百科事典(旧版)内の核原料物質の言及

【核物質】より

…(3)濃縮ウラン,プルトニウムおよびウラン233の金属および化合物。(4)上記(3)のいずれかを含む物質)と〈核原料物質〉(ウランまたはトリウムの金属または化合物を含む物質で核燃料物質でないもの。たとえばウラン鉱石)とが用いられている。…

※「核原料物質」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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