栗原保(読み)くりはらほ

日本歴史地名大系 「栗原保」の解説

栗原保
くりはらほ

ほぼ近世の栗原村に一致する保で、西隣の吉和よしわ、東隣の御所崎ごしよざき、海を挟んで対岸にあった歌島うたのしま庄とともに大炊寮領。建武三年(一三三六)八月一三日付の将軍家御下知案(師守記)に「備後国栗原保」とあり、中沢五郎の侵入を排除し、大炊寮の命に従うよう下知している。当地方の大炊寮領の宰領は大炊寮頭を務めた大外記中原氏で、当保の支配は現地に本拠をもつ安芸氏が当たった。「師守記」康永四年(一三四五)三月一八日条によると、正和年間(一三一二―一七)の例によって中原氏が栗原保の申次を申付けられ、康永四年三月二五日条に吉和・栗原の公文が酒肴料二結を進上とあり、当保から申次分・公文安堵料・御拝賀料銭などを出し、仕丁が交代で京へ赴いている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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