改訂新版 世界大百科事典 「柳津」の意味・わかりやすい解説
柳津[町] (やないづ)
福島県西部,河沼郡の町。人口4009(2010)。会津盆地の西,只見川下流域に位置する。町域の大部分は山林で,耕地は5%に満たない。集落は只見川沿いの河岸段丘や支流滝谷川上流の谷に分布する。中心の柳津は円蔵寺の門前町で,沼田街道の宿駅でもあった。1928年には国鉄会津線(現,JR只見線)が柳津まで通じ,奥会津と会津盆地を結ぶ交通の要衝として発達した。第2次大戦後,只見川の電源開発が進められ柳津ダムが建設された。北部の軽井沢は近世に銀山で栄え,明治中期にも活況を呈したが,1902年ころ廃山となった。山間部は古くから林業が盛んで,キリの産地として知られる。毎年1月7日に行われる円蔵寺の七日堂裸参りは奇祭として有名で,奥之院弁天堂は重要文化財になっている。滝谷川渓谷には西山温泉(含ボウ硝食塩泉,72℃)があり,柳津温泉(純食塩泉,93℃)の源湯にもなっている。只見川の魚淵は柳津ウグイ生息地(天)。
執筆者:佐藤 裕治
柳津 (やないづ)
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報