柳之町下浜(読み)やなぎのちようしもはま

日本歴史地名大系 「柳之町下浜」の解説

柳之町下浜
やなぎのちようしもはま

[現在地名]堺市柳之やなぎの西にし二―三丁

柳之町上浜より西、海岸に至るまでの町。元禄二年(一六八九)堺大絵図に「柳町下浜」とみえ三三筆の宅地割で、町の南部に徳川氏の初代堺政所を勤めた成瀬隼人正の広大な掛屋敷を記す。所属町組は湯屋ゆやはまに同じ。海岸に面した部分は同八年の堺手鑑に「此拾八間之内、今南ニテ廿六間海中ニ入、北ニテ九間海中ニ入ル」とあり、江戸初期に宅地化されたものの元禄期には水没していたことが判明する。宝永元年(一七〇四)大和川付替えによる土砂堆積や、うち川の整備とともに町域は西に拡大し、浜沿いには海船魚市場があった(文久三年堺大絵図)。おもに夏の夜市が開かれ、大和に送られる蛸の売買が盛んであったので、俗に蛸市とも称せられた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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