柞磨村(読み)たるまむら

日本歴史地名大系 「柞磨村」の解説

柞磨村
たるまむら

[現在地名]福山市芦田あしだ町柞磨

上有地かみあるじ村の西、芦田川の右岸に支流有地川が形成する河谷平野の最奥に位置する。南は峠を越えて本郷ほんごう村に通ずる山間の地で、山地が約八割を占める。しかし有地川をさかのぼって早くから開拓されたらしく、宗貞むねさだに四基の横穴式石室をもつ後期古墳があり、別所べつしよ田上たがみにも各各三基の古墳がある。

康正二年造内裏段銭并国役引付に「壱貫文(中略)大和兵庫助殿備後国柞戸村且段銭」とみえるが、「柞戸」は「柞广」の書誤りで当地のこととされる。中世の山城として入船山いりふねやま城・ひうちヶ城・滑山なめやま城を伝え、入船山城主を柞磨氏とするが、大和兵庫助とは柞磨氏のことという(西備名区)。燧ヶ城は一名上山かみやま城といい、楢崎某・南三河守景久の名を城主として伝えるが、有地氏に敗れたといい、滑山城には高橋丹後守が拠ったとされ、これも天文年中(一五三二―五五)有地氏と戦い没落した(同書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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