柚子湯(読み)ゆずゆ

世界大百科事典(旧版)内の柚子湯の言及

【薬湯】より

…草津温泉の湯花入りだとか,不老長寿の仙湯とか,あせも,ただれに効能があるとか,胃弱にきくとか称したのだが,なかには染料を投じただけのいかさま薬湯もあった。端午の節句の菖蒲湯(しようぶゆ)も冬至の日の柚子湯(ゆずゆ)も薬湯の一種と解してよい。自宅での入浴に使う薬品も販売された。…

【銭湯】より

…式亭三馬の《浮世風呂》など銭湯を舞台とする小説が書かれたゆえんである。5月5日の菖蒲湯(しようぶゆ),冬至の柚子湯(ゆずゆ)などはいまも行われているが,明治以前は盆と正月の藪入り(やぶいり)の日にはその日の売上げを三助の収入とする〈貰湯(もらいゆ)〉も行われていた。なお,これは江戸にかぎらず船の出入りの多い港ではどこでも見られたものだが,一種の移動式銭湯とでもいうべき〈江戸湯船(えどゆぶね)〉,あるいは単に〈湯船〉と呼ぶものがあった。…

【冬至】より

…黄道上の黄経が270゜の点を冬至点といい,太陽の中心がこの点を通過した瞬間を冬至という。現行の暦では毎年12月22日ころ起こる。太陽はこのときもっとも南に位置し,日本のような北半球にあってはこの日に日中の長さがもっとも短く,太陽の南中時の影の長さがもっとも長い。日本で用いられた陰暦,すなわち中国流の太陰太陽暦では冬至は暦法の原点として二十四節気のうちでもっとも重要なものであった。暦法はまず太陽の影の長さを測定して冬至の日時を決め,前年の冬至の日時との差から1太陽年の長さを決めることが基本となった。…

【風呂】より


【日本】
 入浴方法には,密閉した部屋にこもらせた蒸気で蒸す〈蒸気浴〉と,湯槽(ゆぶね)にみたした温湯に入る〈温湯浴〉がある。現在日本では風呂といえば温湯浴が一般的であり,その湯槽および湯そのもの,または洗い場なども含めた部屋(浴室)ないし建物のことを風呂と呼んでいる。しかし風呂をこのような意味で用いるようになるのは,温湯浴が入浴の主流になる江戸時代後期以後の比較的新しいことであり,古代・中世から近世の前半ころまでは,風呂とは蒸気浴(蒸し風呂)のことであった。…

【浴用剤】より

…日本では957年(天徳1)和気時雨(ときふる)が典薬頭(てんやくのかみ)になったとき,村上天皇に健康法として5月5日に菖蒲湯(しようぶゆ)に入ることをすすめたという。そのほか,年中行事と結びつけた民間療法として土用の入りに桃の葉湯に入るとあせもを治すとか,冬至(とうじ)に柚子湯(ゆずゆ)に入ると,ひび,あかぎれを治し,一年中風邪を引かないという。また江戸では伊豆や箱根の温泉を四斗樽に入れて運び,わかし直したり,薬草の煎液を加えたりした〈くすり湯〉という湯屋が銭湯とは別にあった。…

※「柚子湯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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