柔・和・軟(読み)やわらかい

精選版 日本国語大辞典 「柔・和・軟」の意味・読み・例文・類語

やわらか・い やはらかい【柔・和・軟】

〘形口〙 やはらか・し 〘形ク〙 (「やわらか」の形容詞化)
① 物の状態・性質がふんわりとしている。堅くない。また、しなやかである。やらこい。
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉四「絹布類衣類(ヤハラカキこそで)あまたありて、櫛釵をも包み込たり」
② 行動・性質などが、あらあらしくなくておだやかである。
※詞葉新雅(1792)「ツヨウヤワラコウイフ いけみころしみ」
③ ほんのりとした感じで快い。感覚におだやかに映じる。
※咄本・茶の子餠(1774)煙草ドレ、貴様のたばこ、和(ヤワ)らかくば二三ぷく下され」
※いさなとり(1891)〈幸田露伴〉四「列べて走らす車の上和(ヤハラ)かき風に身を煽がせつ」
④ かたくるしくなくてさばけている。
落語お若伊之助(1897)〈三代目春風亭柳枝〉「今度は一層、極弱(ごくヤハラカ)い話を一つ色取りに申しまするが」
⑤ 考え方などが、かたくなでなく融通性がある。
※閑耳目(1908)〈渋川玄耳青梅生水社会主義矯激の、煽動的の句調を以て軟(ヤハラ)かい生徒の頭脳を掻きまぜるので」
やわらか‐げ
〘形動〙
やわらか‐さ
〘名〙
やわらか‐み
〘名〙

やわらか・し やはらかし【柔・和・軟】

〘形ク〙 ⇒やわらかい(柔)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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