染色質(読み)せんしょくしつ(英語表記)chromatin

翻訳|chromatin

精選版 日本国語大辞典 「染色質」の意味・読み・例文・類語

せんしょく‐しつ【染色質】

〘名〙 細胞の核内にあって、塩基性色素によく染まり、染色糸をつくる物質核質クロマチン

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デジタル大辞泉 「染色質」の意味・読み・例文・類語

せんしょく‐しつ【染色質】

細胞のに含まれている好塩基性物質。クロマチン。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「染色質」の意味・わかりやすい解説

染色質
せんしょくしつ
chromatin

細胞の核内に存し,ヘマトキシリンなどの塩基性色素で染色される物質。染色体主成分デオキシリボ核酸 DNAヒストンの結合した核蛋白質主体とする。染色質を真正染色質異質染色質に分けることがある。真正染色質は異常凝縮を起さず,低温による退色反応も示さないが,遺伝子を含む。これに対して異質染色質は異常凝縮を起し,退色反応で各染色体に特有の縞模様を示し,遺伝子がないか,あるいは少いとされている。

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栄養・生化学辞典 「染色質」の解説

染色質

 →クロマチン

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世界大百科事典(旧版)内の染色質の言及

【細胞】より

…核は,原核細胞に比べて100~1000倍も大きなゲノムDNAが結合する多数の染色体を保護し,遺伝情報の発現につごうのよい環境を形づくっている。核質のうち,染色体DNAを結合する染色質chromatinは,とくに遺伝情報発現とその調節を行っている重要な部分で,原核細胞の核様体とは違って,遺伝子DNAがヒストンというタンパク質8分子でつくる〈ヌクレオソームコアnucleosome core〉に巻きとられたビーズ状の構造を基本構造にして,スーパーコイルなどの高次な折りたたみ構造をとる染色糸がそこに位置している。また,核質には,RNAに富み,容易にそれとわかるボール状の核小体が通常1ないし数個分布しており,細胞質のリボソームに含まれる3種類のRNA分子(18S,5.8Sおよび28S rRNA)はつながった前駆体RNAとしてここで転写されている。…

※「染色質」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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