染色糸(読み)せんしょくし(英語表記)chromonema

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「染色糸」の解説

染色糸
せんしょくし
chromonema

螺旋糸,クロモネマともいう。静止核の中で塩基性色素によって染色される糸状体。有糸分裂のとき染色体の骨組みをつくる。1本の染色体は常に2本の染色糸を含む。中期近くに染色体は2本の染色分体に分れるが,すでに各染色分体中には2本の染色糸が出現する。この2本の染色糸は染色体に発達する。電子顕微鏡的には1本の染色糸 (直径 200~300nm) はさらに2本の細いクロモネマータ (亜染色糸,直径 10~30nm) から成り,これはさらに下級のクロモネマータから成ると考えられている。染色糸は DNA,ヒストン,非ヒストン性蛋白質主成分とする。

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精選版 日本国語大辞典「染色糸」の解説

せんしょく‐し【染色糸】

〘名〙 細胞内にあって塩基性色素によく染まる糸状物。デオキシリボ核酸とヒストンその他の蛋白質を主成分とする。細胞分裂が始まると、まわりに基質がついて染色体となる。核糸

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デジタル大辞泉「染色糸」の解説

せんしょく‐し【染色糸】

細胞の静止核内にあって、塩基性色素に染まる糸状構造のもの。主成分はDNAたんぱく質細胞分裂の際の染色体の骨組みをつくる。

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世界大百科事典内の染色糸の言及

【核】より

…核の微細構造および機能は細胞分裂の周期にしたがって変化する。分裂間期の代謝核には75~250μmの繊維構造をとる染色糸が現れるが,染色糸の基本構造はヒストン8分子が結合したコア粒子にDNA鎖が巻きつきながらビーズ状に連なったヌクレオソーム構造で,この構造をコイル状に短縮した繊維構造が染色質となって核質中に分散している。あらかじめDNA鎖の複製が完了した分裂核の染色糸は分裂期に入ると急速に短縮・凝縮して染色体となり光学顕微鏡で観察できる構造に変わる。…

【細胞】より

…核は,原核細胞に比べて100~1000倍も大きなゲノムDNAが結合する多数の染色体を保護し,遺伝情報の発現につごうのよい環境を形づくっている。核質のうち,染色体DNAを結合する染色質chromatinは,とくに遺伝情報発現とその調節を行っている重要な部分で,原核細胞の核様体とは違って,遺伝子DNAがヒストンというタンパク質8分子でつくる〈ヌクレオソームコアnucleosome core〉に巻きとられたビーズ状の構造を基本構造にして,スーパーコイルなどの高次な折りたたみ構造をとる染色糸がそこに位置している。また,核質には,RNAに富み,容易にそれとわかるボール状の核小体が通常1ないし数個分布しており,細胞質のリボソームに含まれる3種類のRNA分子(18S,5.8Sおよび28S rRNA)はつながった前駆体RNAとしてここで転写されている。…

※「染色糸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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