柏木小右衛門(読み)かしわぎ・こえもん

朝日日本歴史人物事典 「柏木小右衛門」の解説

柏木小右衛門

没年貞享3.7.25(1686.9.12)
生年:慶長13(1608)
江戸初期の新田開発者。名は吉政,義利。先祖は信濃国佐久郡松井,与良,柏木(いずれも小諸市)などを支配する在地小領主だったが,つぎつぎに主家が滅びたため,小右衛門のときに柏木村四ツ谷に土着して帰農した。慶安3(1650)年ごろ,荒地の開発を志し,浅間山麓に発見した水源から用水路を開削して引水し御影新田村を開発した。用水路は上堰が約28km,下堰が約36kmで,両堰が合流して村に到達するまでにさらに約8kmを要する長途なものだった。この功績によって柏木家は名主の上に位置する「開発人(ないし見立人)」の称号で呼ばれ,種々の特権を与えられるようになった。<参考文献>『信濃国佐久郡御影新田村柏木家文書目録』(国立史料館)

(斎藤洋一)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「柏木小右衛門」の解説

柏木小右衛門 かしわぎ-こえもん

1608-1686 江戸時代前期の開拓者。
慶長13年生まれ。柏木家は戦国時代からの土豪で,小右衛門の代に旧領信濃(しなの)(長野県)柏木村に帰農。慶安のころ総延長72kmにおよぶ用水路をひき,当時廃村になっていた曾根村跡を中心に新田をひらき,種々の特権をえた。貞享(じょうきょう)3年7月25日死去。79歳。名は吉政,義利。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android