枲垂衣・帔(読み)むしのたれぎぬ

精選版 日本国語大辞典 「枲垂衣・帔」の意味・読み・例文・類語

むし‐の‐たれぎぬ【枲垂衣・帔】

〘名〙 笠の周辺に垂らす布。平安時代から鎌倉時代にかけて用いられた。苧(からむし)繊維で織った薄い布で、婦人外出の際に、顔を見られないようにするため、また、男性山路を行く時に虫などを防ぐため、などという。室町時代頃は装飾化して布の縫い合わせ目に色紐で総角(あげまき)に結び垂らすふうにもなった。むしたれ。むし。
夫木(1310頃)九「草ふかみむしのたれぎぬ結ひあげてとをりわづらふ夏の旅人藤原季能〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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