まい【枚】
[1] 〘接尾〙
① 紙、板、盾、皿、
花びら、
煎餠など平たいものを数えるのに用いる。ひら。古くは刀、鉾など
棒状のものを数えるのにも用いた。
※
源氏(1001‐14頃)
須磨「白き唐の紙四五まいばかりを」 〔
晉書‐郭璞伝〕
※
家忠日記‐天正一四年(1586)一一月四日「金子百枚」
③ 田や畑などの一区画ずつを数えるのに用いる。
※俳諧・奥の
細道(1693‐94頃)殺生石「田一枚植て立去る柳かな」
④
駕籠をかく人を数えるのに一人の肩を一枚とし「三枚肩」「四枚肩」などの形で用いる。
⑤ (名を一枚一枚の札、または
番付、看板などに書いて張り出したところから)
芸娼妓、役者、
相撲取などの人数を数えるのに用いる。
※洒落本・通仁枕言葉(1781)「
芸者の五六めへも呼んで、銭を遣ふ」
⑥ (⑤の張り出される順が、その者の成績や位によるところから) 順位を数えるのに用いる。
※人情本・春色梅児誉美(1832‐33)四「此糸さんが二枚(マイ)も下へ押さげられるか」
⑦ (⑤から転じて) 一般に人の数を数えるのに用いる。
⑧ 魚を数えるのに用いる。
※家忠日記‐天正一七年(1589)正月一八日「鯉十本、ふな百まい候」
⑨ 取引所用語で、売買取引の
数量を表わす。株式は一株、
米穀は一〇石、
生糸は一〇〇斤、
綿花は一〇俵をさすなど。〔模範新語通語大辞典(1919)〕
ばい【枚】
〘名〙 昔、
夜討ちの時などに、声をたてないように口にふくませた道具。箸
(はし)のような形で、横にくわえ、両端に紐をつけて
頭上で結ぶ。馬にも用いた。口木。〔
易林本節用集(1597)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「枚」の意味・読み・例文・類語
まい【枚】
[接尾]助数詞。
1 紙・板・皿などの薄く平たいものを数えるのに用いる。「二、三枚の紙」
2 原稿用紙の数を数えるのに用いる。ふつう400字詰めの原稿用紙を単位として数える。「五枚ほどの随筆」
3 魚を数えるのに用いる。「ヘラブナを三枚釣り上げる」
4 相撲で、その階級の人数を数えるのに用いる。「幕内を二枚ふやす」
5 相撲の番付で、席次を数えるのに用いる。「三枚上がる」
6 田や畑などの一区画を数えるのに用いる。「田一枚を植える」
7 浄瑠璃・長唄で、太夫や唄方の人数を数えるのに用いる。「二挺三枚」
8 近世の大判金・丁銀や近代の貨幣・銀貨など、貨幣の数を数えるのに用いる。「銀三拾枚」
9 駕籠舁の人数を数えるのに用いる。
「大坂より四―肩は二十四匁の定まり」〈浮・諸艶大鑑・六〉
まい【枚】[漢字項目]
[音]マイ(呉) バイ(漢)
[学習漢字]6年
〈マイ〉紙・板・貨幣など薄く平たいもの。「枚挙・枚数/大枚」
〈バイ〉昔、夜討ちなどのとき、声を出さないように口にくわえた木片。「銜枚」
[名のり]かず・ひら・ふむ
ばい【▽枚】
昔、夜討ちのときなどに声を出さないように、兵士や馬の口にくわえさせた、箸のような形をした道具。ひもで首に結びつけた。口木。
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枚
紙のようなシート状の書写材を数える時の物理的な最小単位.葉ともいう.「丁」を同義で使うこともある.当初,書写材を数える単位は枚(丁)しかなかったが,西洋では15世紀末から,日本では明治時代から,ページ付け表示を見かけるようになった.
出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報