林長二郎(読み)はやしちょうじろう

世界大百科事典(旧版)内の林長二郎の言及

【長谷川一夫】より

…その〈水もしたたる美貌〉を買われて,1927年,18歳で松竹下加茂撮影所に招かれ,女形から美男剣士の道へと進んだ。師匠の鴈治郎から林長二郎の名をはなむけにもらい,主として衣笠貞之助監督と組んで(《お嬢吉三》《鬼あざみ》(ともに1927)等々から代表作の1本となった松竹創立以来の大ヒット作《雪之丞変化》三部作(1935‐36)などに至るまで),松竹時代劇の人気スターとなった。32年には松竹蒲田撮影所で初の現代劇《金色夜叉》にも貫一の役で出演している(田中絹代がお宮を演じた)。…

【雪之丞変化】より

… 最初の脚本〈前篇〉は,伊藤大輔監督が衣笠の希望で起用され,独特の奔放な話術を駆使して原作を自由闊達(かつたつ)に処理し,それを衣笠が〈現場用に潤色〉した。林長二郎(のちの長谷川一夫)が女形と俠盗の2役を演ずることを企画の眼目とし,レコード会社とタイアップした主題歌《むらさき小唄》が流行歌手東海林太郎の歌で《赤城の子守唄》に続いて大ヒット,興行的には大成功で,これが松竹蒲田撮影所の大船移転(1936)の費用をすべてまかなったと伝えられている。 1930年代前半に〈松竹時代劇〉の黄金時代を築いた衣笠貞之助=林長二郎コンビの頂点をなした娯楽映画で,戦後も衣笠は長谷川一夫を中心とした新演技座プロで再映画化を企画したが,すでに元の作品が占領軍によって日本の軍国主義と封建主義に協力したという理由で〈禁止映画〉とされていたため許可されず,表面的には新作を装って改変した《小判鮫》二部作(1948‐49)が長谷川一夫主演でつくられた。…

※「林長二郎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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