林謙三(読み)はやしけんぞう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「林謙三」の意味・わかりやすい解説

林謙三
はやしけんぞう

[生]1899.5.1. 大阪
[没]1976.6.9. 奈良
東洋,日本の音楽研究家,彫刻家。 1924年東京美術学校彫刻科卒業。彫刻家として活躍する一方,楽器,音律などを中心に東洋,日本の音楽を研究。正倉院楽器の復元をはじめ,古譜の解読その他に優れた業績を示した。奈良学芸大学 (現奈良教育大学) 教授などを経て,東大阪短期大学 (現東大阪大学短期大学部) 教授。東洋音楽学会副会長,同関西支部長。主著『隋唐燕楽調研究』 (1963) ,『東亜楽器考』 (1962) ,『正倉院楽器の研究』 (1964) ,『東アジア楽器考』 (1973) 。

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世界大百科事典(旧版)内の林謙三の言及

【伎楽】より

…《博雅笛譜》《仁智要録》などに譜が残されているが音楽の実態は不明。ただ《獅子》《呉公》《大孤》の笛パートは林謙三(1899‐1976)によって復元され,レコード化されている(《天平・平安時代の音楽――古楽譜の解読による》,日本コロムビア,1965)。雅楽【田辺 史郎】
[伎楽面]
 狭義の伎楽には各種の伎面が用いられている。…

【琵琶】より

…楽琵琶の技法としては,1本の弦だけを弾ずる〈一撥(ひとつばち)〉,複数弦をポロロンと弾ずる分散重音の〈搔撥(かくばち)〉,撥の方向を通常と反対にする〈返し撥〉,左手の指で弦を打ち,すぐに軽くはじく〈弛す(はずす)〉など,後世の琵琶楽の基本となるものがほぼそろっている。合奏用だけでなく琵琶独奏曲の輸入もわずかにあったらしく,《流泉》《啄木(たくぼく)》《揚真操(ようしんそう)》の秘伝3曲が藤原師長(もろなが)の《三五要録》に収められているので,林謙三(1899‐1976)により復元が試みられた。声楽と琵琶との結びつきは雅楽との関連でもいくつかの様相を示し,後代の声楽中心の琵琶楽を暗示するものがあった。…

【風俗】より

…室町時代には滅んだが,近世の国学者は神楽(御神楽(みかぐら)),催馬楽(さいばら),東遊(あずまあそび)とともに〈四譜〉と称して重視した。《承徳本古謡集》(26曲),《文治本風俗古譜》(14曲),《楽章類語鈔》(26曲)など諸本の詞章は《古代歌謡集》(日本古典文学大系3)に集成され,林謙三(1899‐1976)による復元の一部がレコード化されている(《天平・平安時代の音楽――古楽譜の解読による》,日本コロムビア)。【田辺 史郎】。…

※「林謙三」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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