林兆恩(読み)りんちょうおん(英語表記)Lín Zhào ēn

改訂新版 世界大百科事典 「林兆恩」の意味・わかりやすい解説

林兆恩 (りんちょうおん)
Lín Zhào ēn
生没年:1517-98

中国,明代末期の代表的三教論者。字は懋勛(ぼうくん),号は竜江,心隠子,子谷子。福建省甫田の人。王守仁陽明)の良知心学を修学したのちに,儒・仏・道の三教を心学に折衷して三教合一を主張した。世に三教先生と称された。倭寇が甫田を攻略した際に積屍を埋葬するなどの社会活動とともに,〈三教先生の心学〉を講説し,艮背(ごんぱい)心法(主体性の確立)を施行して貴賤老若各層の信奉者を得た。日本では江戸初期の学術界で熱烈に受容された。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「林兆恩」の意味・わかりやすい解説

林兆恩
りんちょうおん
Lin Zhao-en

[生]正徳12(1517)
[没]万暦26(1598)
中国,明末の学者。ほ田 (福建省) の人。字は懋くん (ぼうくん) 。号は竜江,子谷子。儒,道,仏の三教融合を唱えたので,三教先生ともいわれた。精神修養法の艮背法を用いて病をなおし,評判を得た。著書に『林子全集』がある。

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