松阪・松坂(読み)まつさか

精選版 日本国語大辞典 「松阪・松坂」の意味・読み・例文・類語

まつさか【松阪・松坂】

(「まつざか」とも)
[1]
[一] (松阪) 三重県中央部の地名。伊勢平野の南端にあり、伊勢湾に面する。天正一六年(一五八八)蒲生氏郷が松坂城を築城し、商業を奨励したことから伊勢商人の本拠地となり、熊野・和歌山・参宮の三街道の合する宿場町として発展。江戸時代は紀州藩の代官所が置かれた。松坂木綿の伝統を受け紡織業が盛ん。和牛・万古焼が知られる。鈴屋(本居宣長の旧宅)・瑞巖寺がある。古くは松坂と表記した。昭和八年(一九三三市制
[二] (松坂) 京都市東部、粟田口(現在の京都市東山区)と山科(現在の京都市山科区)を結ぶ日ノ岡峠西側の坂路の旧称。京の方から峠を上る東海道の急坂
[2] 〘名〙
※雑俳・柳多留‐二四(1791)「元服の仕着せ松坂こへたなり」
※滑稽本・旧観帖(1805‐09)初「わしらが国のおけさ松坂(マツザカ)甚九などは」
越後を中心に東北地方に分布する祝い唄。秋田では荷方(にかた)節、津軽では謙良節ともいう。
寛文一六六一‐七三)の頃流行した編笠。〔随筆・むかしむかし物語(1732頃)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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