松尾寺(まつのおでら 京都府)(読み)まつのおでら

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

松尾寺(まつのおでら 京都府)
まつのおでら

京都府舞鶴(まいづる)市字松尾の青葉山の中腹にあり、真言(しんごん)宗醍醐(だいご)派に属する寺。青葉山または扶桑(ふそう)馬耳山と号する。本尊馬頭観音(ばとうかんのん)。西国三十三所第29番札所。寺伝によれば、慶雲(きょううん)年間(704~708)に威光が草庵(そうあん)を結んで馬頭観音を安置し、養老(ようろう)年間(717~724)に泰澄(たいちょう)がきて奥の院を造営したといわれる。ついで正暦(しょうりゃく)年間(990~995)春日(かすが)為光が馬頭観音を刻み、1119年(元永2)には惟尋(いじん)が七堂伽藍(がらん)を造営した。のち織田信長の兵火で焼失したが、1579年(天正7)に国守細川幽斎(ゆうさい)が本堂を再建し、江戸時代にも堂舎の造営が行われた。現在、本堂(大悲殿)、大師堂、仁王(におう)門などがあり、寺宝に絹本着色の普賢延命(ふげんえんめい)像(国宝、平安後期)、絹本着色孔雀(くじゃく)明王像(鎌倉時代)、絹本着色法華曼荼羅(ほっけまんだら)図、木造阿弥陀如来坐像(あみだにょらいざぞう)(以上、国重要文化財)などがある。5月8日に「仏舞(ほとけのまい)」が行われる。

[勝又俊教]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android