東郷(鹿児島県)(読み)とうごう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「東郷(鹿児島県)」の意味・わかりやすい解説

東郷(鹿児島県)
とうごう

鹿児島県北西部、薩摩郡(さつまぐん)にあった旧町名(東郷町(ちょう))。現在は薩摩川内(せんだい)市の北部を占める一地区。1952年(昭和27)上東郷村を東郷村に改称、即日町制を施行。2004年(平成16)川内市、樋脇(ひわき)町、入来(いりき)町、祁答院(けどういん)町、里(さと)村、上甑(かみこしき)村、下甑(しもこしき)村、鹿島(かしま)村と合併、薩摩川内市となる。旧町域は、紫尾(しび)山南西斜面と川内川右岸低地からなり、国道267号が通る。名称は古代の郷名による。平安末以来約200年間名主(みょうしゅ)大前(おおくま)氏の支配のあと地頭(じとう)渋谷(しぶや)氏(のち東郷氏を称す)が入封、1680年(延宝8)から島津氏の外城(とじょう)。主産業は農業で、水稲、果樹栽培、畜産が中心。とくに1876年(明治9)導入のミカン栽培に力を注いでいたが、現在はブドウ、イチゴ、キンカンなどの観光農業、施設園芸に力を入れている。また子牛や肥育牛などの出荷額も伸びている。藤川天神(菅原神社(すがわらじんじゃ))境内の梅林約120本のうち、「臥竜梅(がりゅうばい)」55株は国指定天然記念物。

[白石太良]

『『東郷町郷土史』(1969・東郷町)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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