東郷 民安(読み)トウゴウ タミヤス

20世紀日本人名事典 「東郷 民安」の解説

東郷 民安
トウゴウ タミヤス

昭和期の実業家 元・殖産住宅相互会長。



生年
大正5(1916)年5月1日

没年
平成15(2003)年5月10日

出生地
東京

学歴〔年〕
東京帝大経済学部〔昭和16年〕卒

経歴
昭和25年注文住宅の殖産住宅相互を創業、社長に就任。43年に株式公開を迫られ、47年3月幹事証券会社を決定、同年10月株式公開。48年6月株式上場を巡る所得税脱税事件(殖産住宅事件)で東京地検特捜部に逮捕され、会長を辞任。一審は無罪となったが、二審では逆転有罪となり、個人としては当時史上最高の約26億円の脱税額を認定された。59年最高裁で懲役2年6ケ月、執行猶予3年、罰金4億円の罪が確定。60年罰金支払い不能のため労役収監されるが、胃がんの手術のため労役執行停止。61年東京不服審判の裁決書に対し行政訴訟を提起した。中曽根康弘元首相とは旧制静岡高の同級生で、公判では中曽根元首相から自民党総裁選のための資金提供を頼まれ、一部の自社株売買を行ったと主張したが、中曽根元首相はその主張を否定した。著書に「罠―殖産住宅の真実」がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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