東蝦夷地名考(読み)ひがしえぞちめいこう

日本歴史地名大系 「東蝦夷地名考」の解説

東蝦夷地名考(秦「地名考」)
ひがしえぞちめいこう

一冊 秦檍麻呂著

成立 文化五年四月

自筆本 市立函館図書館・北海道大学附属図書館・東京大学附属図書館・国立公文書館内閣文庫

解説 袋綴図版は著色。内題に「東蝦夷地名考」「勢州神都秦檍麿撰 東都中村意積校合」とある。題名の「東蝦夷」は松前からみて東側の地域で北海道の太平洋岸の地域をさしている。檍麻呂は東蝦夷地の主要地域(おおむね会所元)アイヌ語地名解釈している。具体的にはヤムクシナイから根室のノッツシャブ崎までが対象となっている。檍麻呂はアイヌ語のなかに古い日本語が伝存しているというアイヌ語日本語同祖論の立場で解釈を行っている。檍麻呂はアイヌ語に通じており、日本語にない「トゥtu」の音をで表記する。本書は地名解としては最も古い資料のひとつである。

活字本 アイヌ語地名資料集成

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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