東安村・西安村(読み)ひがしあんどむら・にしあんどむら

日本歴史地名大系 「東安村・西安村」の解説

東安村・西安
ひがしあんどむら・にしあんどむら

[現在地名]安堵村大字東安堵・西安堵

東安堵村は現安堵村北部に位置し、その西南に西安堵村がある。「日本書紀」敏達天皇一二年条に百済の日羅を阿斗桑市あとのくわいちに住まわせ、同書推古天皇一八年一〇月八日条に新羅任那の使を阿斗の河辺の館に迎えたとみえる阿斗は当地とも考えられるが、現磯城しき郡田原本町説、河内説もある。古代飽波あくなみ郷に属し、東安堵村西北方に飽波の垣内名も残る。

延久二年(一〇七〇)の興福寺雑役免帳に「安堵庄」があり、また建保二年(一二一四)の入道蓮慶処分状(額安寺文書)の「平群郡飽波東郷九条五里十三坪(中略)字十三」は東安堵の小字じゆうソウとして残る。永正八年(一五一一)・大永四年(一五二四)の田地売券(天理図書館文書)アント阿土あど地名がみえ、大字岡崎おかざきに小字阿土西、同窪田くぼたに小字アドノマエ、大和郡山市西町に小字アトノ辻が残る。なお「相模集」に

<資料は省略されています>

とある「あとむら」を「大和志」は坂手さかて村東南(現磯城郡田原本町)に比定するが、この歌は京都から長谷寺へ参る途次に作られたもので、次が「すかたの池にて」であるので、「あとむら」は安堵、「すかた」は東方菅田すがた(現天理市)とみられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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