東京国際空港(読み)とうきょうこくさいくうこう

精選版 日本国語大辞典 「東京国際空港」の意味・読み・例文・類語

とうきょう‐こくさいくうこう トウキャウコクサイクウカウ【東京国際空港】

東京都大田区羽田にある空港。多摩川河口三角州に昭和六年(一九三一)開設された逓信省羽田飛行場を前身とする。同二七年運輸省に移管されて改称。同五三年に新東京国際空港(現成田国際空港)が開港するまで内外定期航空路の飛行機が発着する中心的空港で、日本の空の表玄関といわれた。現在は国内線が中心。通称羽田空港

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デジタル大辞泉 「東京国際空港」の意味・読み・例文・類語

とうきょう‐こくさいくうこう〔トウキヤウコクサイクウカウ〕【東京国際空港】

東京都大田区にある空港。国管理空港の一。昭和6年(1931)開港、内外定期航空路便が発着したが、昭和53年(1978)成田国際空港の開港後は主に国内線に使用。平成22年(2010)に国際線ターミナルが再び開業した。国内線旅客ターミナルビルビッグバード愛称でよばれる。羽田空港。→拠点空港

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「東京国際空港」の意味・わかりやすい解説

東京国際空港
とうきょうこくさいくうこう

東京都大田区の南東端、多摩川六郷(ろくごう)川)河口左岸の三角州および埋立地にある空港。所在地の名をとって、「羽田空港」の名で親しまれている。国(すなわち国土交通大臣)が建設管理する。滑走路は3360メートル1本、3000メートル1本、2500メートル2本の計4本。2021年(令和3)の年間旅客数は、国際線、国内線あわせて2656万人(新型コロナウイルス感染症流行の影響が出る前の2019年は8741万人)、年間取扱貨物量は83万トン(2021)。

 文政(ぶんせい)年間(1818~1830)に、この地が鈴木弥五右衛門らによって開拓され、守護神として稲荷(いなり)神社(穴守(あなもり)稲荷)が建てられた。この神社は商売繁盛の神として信仰を集め、東京空港建設の際も、赤鳥居のみ空港内に残存した(その後移転)。1931年(昭和6)日本で最初の国営の民間飛行場として開港した。第二次世界大戦後、連合国最高司令官総司令部(GHQ)に接収されたが、1952年(昭和27)東京国際空港として再開、1978年の新東京国際空港(2004年に成田国際空港に改称)開港まで、日本の表玄関として機能した。

 1978年の成田開港に伴い、国内線を中心として使用されることになった。しかし成田国際空港は、都心へのアクセスの悪さ、発着容量不足などの問題を抱え、日本の表玄関である国際空港としてのあり方に次第に疑問が示されるようになり、利便性に優れる羽田空港の再国際化が求められることとなった。国の成長戦略でも羽田空港の国際化が打ち出され、整備が進められた。2010年(平成22)7月、新たに4本目の滑走路が完成し、同年10月21日、国際線ターミナルのオープンとともに供用開始された。

 当初は成田国際空港との役割分担を図り、昼間帯の国際線の運航は、国内線の最長路線の長さの範囲内にある周辺諸国の空港との間に制限され(ペリメーター規制、この場合、羽田―石垣間の1947キロメートル)、それを超える長距離路線については、成田国際空港の運用時間外である深夜と早朝に限定された。しかし、その後この制限は徐々に緩和され、成田国際空港との競合性が高まっている。

[沢田 清・戸崎 肇 2023年4月20日]

 2020年(令和2)3月29日からは、気象条件の変化への対応力を強化し、かつ混雑緩和を図るため、東京都心上空を通過する新しい飛行経路の運用を開始した。

 またこれに先駆けて、同月、「国際線ターミナル」を「第3ターミナル」と名称変更。また、国際線の増便に備え、第2ターミナルの一部を国際線対応とした。

[戸崎 肇 2023年4月20日]

『上之郷利昭著『羽田空港物語』(1997・講談社)』


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百科事典マイペディア 「東京国際空港」の意味・わかりやすい解説

東京国際空港【とうきょうこくさいくうこう】

東京都大田区羽田にある第1種空港で,羽田空港ともいう。1931年,逓信省の東京飛行場として設置,第2次大戦後は在日米軍輸送部隊の基地となったが,1952年に大部分が返還され,名称も東京国際空港と改められ運輸省(現,国土交通省)の所管となった。1958年に全面返還,1964年にC滑走路(3150m)を新設,1971年にB滑走路を延長(1650m→2500m)。都心とは高速道路,モノレールで結ばれ,首都空港として便利であるが,発着量が限界に達したため,国際線はその大半を新東京国際空港(現,成田国際空港,1978年開設)に譲った。1983年に策定された東京国際空港整備計画にもとづき,翌年から沖合展開事業に着手。第I期工事としてA滑走路(3000m)を,第II期工事として管理塔庁舎や旅客ターミナルビルなどを新設。第III期工事で,1997年に新C滑走路,1999年に新B滑走路が使用開始された。さらに2010年にD滑走路が使用開始され,A〜Dの4本の滑走路が整備されれた。2004年末には,第2旅客ターミナルビルが開業。2010年,国際線ターミナルビルが開業,国際便の就航が相次ぎ,ハブ空港としての体制が整いつつある。2010年度の航空旅客数は約6193万人,貨物取扱量は約73万3000t,航空機発着回数は約33万6000回。
→関連項目大田[区]空港羽田

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「東京国際空港」の意味・わかりやすい解説

東京国際空港
とうきょうこくさいくうこう
Tokyo International Airport

東京都大田区の南東,六郷川河口左岸の三角州と埋立地にある国際空港。2008年の空港法で定められた拠点空港の国管理空港で,旧第1種空港にあたる。総面積 12.71km2。その所在地から羽田空港として知られている。1931年日本最初の国営飛行場として開かれ,第2次世界大戦後アメリカ軍に接収され 1952年に返還,東京国際空港として日本の空の玄関となった。国内線はもとより国際線も乗り入れていることから発着容量の限界を迎え,1978年国際線のほぼすべてが新東京国際空港(→成田国際空港)に移った。しかし,その後も国内線の発着が増えたことにより,空港機能の増強と騒音問題解消のため,1984年沖合い展開工事を開始。1988年7月新 A滑走路(3000m)の供用が始まり,1993年9月にはビッグバードの愛称をもつ新旅客ターミナルが完成,さらに 1997年3月新 C滑走路(3000m),2000年3月新 B滑走路(2500m)が供用を開始した。2004年12月には第2旅客ターミナルなどが完成,乗降ゲートも増えほぼ 9割の便がターミナルビルから直接航空機に搭乗できるようになった。その後もさらなる需要の増大に対応すべく再拡張・国際化事業が進められ,2010年10月 D滑走路(2500m)と国際線ターミナルの供用を開始した。乗り入れ要求が多いため「混雑飛行場」と規定され,5年ごとに発着枠の再配分が行なわれている。都心とは東京モノレール,首都高速道路,京浜急行羽田線で結ばれている。

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世界大百科事典(旧版)内の東京国際空港の言及

【空港】より

…それによると,空港は用途別に陸上および水上飛行場と,陸上および水上ヘリポートの4種に,規模では滑走路の長さによってAからIまでの9等級に分類されている。また,性格と機能から,航空交通網の基幹となる空港で,設置,管理とも国が行う第1種空港(ただし新東京国際(成田)空港は新東京国際空港公団が,また関西国際空港は関西国際空港株式会社が管理),主として国内幹線用の空港で,国が設置し,管理は国または地方自治体が行う第2種空港および主としてローカル航空輸送用の空港で,設置,管理とも地方自治体が行う第3種空港の三つに分けられている。ただし,第2種,第3種空港とも保安施設関係のみはすべて国が担当する。…

※「東京国際空港」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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