東京オリンピック・パラリンピック招致委員会(読み)とうきょうおりんぴっくぱらりんぴっくしょうちいいんかい(英語表記)The Tokyo Bid Committee of the Olympic and Paralympic Games

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

東京オリンピック・パラリンピック招致委員会
とうきょうおりんぴっくぱらりんぴっくしょうちいいんかい
The Tokyo Bid Committee of the Olympic and Paralympic Games

東京での夏季オリンピックパラリンピックの開催を目的に存在した組織。2016年委員会(2007~2010年)と、2020年委員会の二つがあった。いずれも立候補に必要な開催計画の立案国際オリンピック委員会IOC)へのロビー活動、国際スポーツ行事への参加などに取り組み、2016年委員会は招致に失敗したが、2020年委員会は東京開催を勝ち取った。両委員会とも招致活動費の高額支出や不正使用の疑惑が指摘された。

 2016年委員会は2006年(平成18)11月に設立され、2007年2月に特定非営利活動法人となった。会長には当時の東京都知事の石原慎太郎(しんたろう)がつき、副会長を日本オリンピック委員会(JOC)会長の竹田恆和(つねかず)(1947― )らが務めた。東京都税と寄付金をもとにした招致活動費は約149億円で、収支は約7億円の赤字であった。赤字分は2020年委員会からの借入れで返済した。招致失敗のため、2010年7月に「国際スポーツ東京委員会」に名称を変更した。2020年委員会は2011年9月に発足、2012年4月に特定非営利活動法人となった。会長(後に理事長)にはJOC会長の竹田恆和がつき、理事をオリンピック・ソウル大会金メダリストの鈴木大地(だいち)(1967― )らが務めた。助言機関として評議会があり、評議会会長は石原慎太郎、猪瀬直樹(いのせなおき)ら歴代都知事が務めた。2013年9月に東京開催が決まった後の2014年1月に解散し、解散後は公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会へ引き継がれた。招致活動費は約89億円で、東京都税、寄付金、協賛企業からのスポンサー料などでまかなった。なお海外報道機関は、2020年委員会が東京招致を実現するために、国際陸連幹部の親族贈賄をした疑惑があると報じている。

[矢野 武 2017年1月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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