東中南部汎アフリカ自由運動(読み)とうちゅうなんぶはんアフリカじゆううんどう(英語表記)Pan-African Freedom Movement of Eastern, Central and Southern Africa; PAFMECSA

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

東中南部汎アフリカ自由運動
とうちゅうなんぶはんアフリカじゆううんどう
Pan-African Freedom Movement of Eastern, Central and Southern Africa; PAFMECSA

1958年9月ケニア,ニアサランド(現マラウイ),タンガニーカ(現タンザニア),ウガンダ,ザンジバル(1964タンガニーカと合邦)の各民族主義政党代表がタンガニーカのムワンザで開いた会議で結成された,汎アフリカ主義的な超地域的解放機構。当初は東中部汎アフリカ自由運動 PAFMECAと称したが,その後 1959年にはレオポルドビル(現コンゴ民主共和国,キンシャサ),ルアンダウルンディ(現ルワンダ,現ブルンジ),1962年にはエチオピアソマリア,バストランド(現レソト),ベチュアナランド(現ボツワナ),南アフリカ共和国,南西アフリカ(現ナミビア),スワジランド(現エスワティニ)も参加し,同年名称を東中南部汎アフリカ自由運動に変更した。発足当時,自治と議会制民主主義の達成を目指す汎アフリカ主義的解放運動の推進,共同解放基金の設立,非暴力的民族主義運動の推進などを内容とする憲章を掲げて活動を開始したが,各植民地の独立に伴い,経済開発の共同推進といった機能的汎アフリカ主義の色彩を強めていった。もっとも,たてまえとしての,これら各国からなる連邦の設立と,最終段階としての全アフリカの統一最後まで目標として掲げられた。機構面でも,各国 2名ずつの代表からなる調整自由評議会の設立や,タンザニアの首都ダルエスサラームに常設事務局を設置するなど積極的な整備が行なわれたが,1963年5月アフリカ統一機構 OAUの創設後,その役割を OAUに引き継いで解体した。

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