条約法に関するウィーン条約(読み)じょうやくほうにかんするウィーンじょうやく(英語表記)Vienna Convention on The Law of Treaties

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

条約法に関するウィーン条約
じょうやくほうにかんするウィーンじょうやく
Vienna Convention on The Law of Treaties

条約法に関する一般条約として 1969年に締結された条約。前文と条文 85ヵ条および付属書から成っており,国際連合のもとで締結された重要な国際法法典化条約の一つである。条約法は,条約に関する諸規則から成る国際法の一分野で,これまで慣習法として発展してきた。しかし条約法の内容をより明確化し,現実に合せるため法典化が企てられた。国連国際法委員会が作成した草案原案として 68年と 69年に開かれた国連条約法会議が審議の結果採択したのが,この条約法 (単に条約法条約ともいわれる) である。この条約は 35ヵ国が批准書 (または加入書) を寄託したのち 30日目に効力を発生する (1980.1.発効。日本は 81年に批准,昭和 56年条約 16号) 。条約法条約は,条約の締結手続および効力発生,多数国間条約に対する留保,条約の遵守・適用および解釈第三国に対する効力,条約の改正および変更,条約の無効・終了および運用停止,被寄託者の任務通告訂正,条約の登録など条約に関する諸規則全般にわたる一般条約としてきわめて重要なものである。

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世界大百科事典(旧版)内の条約法に関するウィーン条約の言及

【条約】より

…しかし国際社会の発展に伴い,締結される条約は急激に増加し,その内容も多様化したために,慣習法規からなる条約法の規則では現実の発展に十分に対応できなくなった。1969年に採択された〈条約法に関するウィーン条約〉(略称ウィーン条約)はこの必要にこたえて国家間に締結される条約に関する諸規則の法典化を試みたものであり,今後の条約関係に法的枠組みを提供するものとして重要である(1980年1月27日効力発生)。 条約締結にあたっては,通常,まず,国家の権限ある代表者の間で交渉が行われ,合意が成立した段階で条約文の採択,認証(条約の文言が確定的な正文であることを承認・証明する行為),署名(調印ともいう)が行われる。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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