村山(読み)むらやま

精選版 日本国語大辞典 「村山」の意味・読み・例文・類語

むらやま【村山】

[一] 山形県中東部の地名最上川貫流する。中心地の楯岡(たておか)江戸時代には羽州街道宿場町市場町として発展。米作、果樹栽培が盛ん。昭和二九年(一九五四市制
[二] 出羽国(山形県)の旧郡名。仁和二年(八八六最上郡の北半部により成立。文祿年中(一五九二‐九六)最上郡と村山郡が入れ替わり、北部が最上郡、南部が村山郡となった。村山郡は明治一一年(一八七八東村山・西村山・南村山・北村山に四分されて消滅。〔二十巻本和名抄(934頃)〕

むらやま【村山】

謡曲四番目物廃曲。観世小次郎信光作。村山何某は、訴訟のため鎌倉に滞在していた主人幕府の命で自害させられたと聞き、主人の妻子を慰めていると、代官長尾が攻めて来る。村山は主人の妻子とともに奮戦し、ついに長尾を降参させる。

むら‐やま【村山】

〘名〙 江戸時代、一村として共有し、共同用益する山。

むらやま【村山】

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デジタル大辞泉 「村山」の意味・読み・例文・類語

むらやま【村山】[姓氏]

姓氏の一。
[補説]「村山」姓の人物
村山槐多むらやまかいた
村山左近むらやまさこん
村山富市むらやまとみいち
村山知義むらやまともよし
村山実むらやまみのる
村山由佳むらやまゆか
村山竜平むらやまりょうへい

むらやま【村山】[地名]

山形県中東部の市。最上川が貫流。農業が行われる。中心の楯岡たておかはもと最上氏の城下町、羽州街道の宿場町。人口2.7万(2010)。
東京都中北部の地名。狭山丘陵の南側。現在は武蔵村山市。

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改訂新版 世界大百科事典 「村山」の意味・わかりやすい解説

村山[市] (むらやま)

山形県中東部の市。1954年市制。人口2万6811(2010)。山形盆地の北端部と周辺の山地を占め,中央を蛇行しながら最上川が北流,川沿いにJR奥羽本線と国道13号線(羽州街道)が通じる。中心の楯岡(たておか)は,1405年(応永12)前森氏が楯山の山上に築城し,以後,最上八楯の一つとして最上地方の一中心であった。のち最上氏領となったが,1622年(元和8)の最上氏改易後は藩領と幕府領が入り組み,城下町としてよりは羽州街道の宿駅として発展,ベニバナや麻の集散地でもあった。1878年には,北村山郡役所が置かれた。豪農喜早伊右衛門の築いた東沢池周辺は,東北地方最大のバラ園として有名な東沢公園(2002年〈東沢バラ公園〉としてグランドオープン)になっている。楯岡の周辺では,米作のほか果樹栽培が盛んで,1970年以後工業団地も造成されている。99年山形新幹線の山形~新庄間の開通に伴い,新幹線・奥羽本線楯岡駅が村山駅と改称。江戸後期の探検家最上徳内の生地である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「村山」の意味・わかりやすい解説

村山
むらやま

東京都北西部、多摩湖南方の武蔵野(むさしの)台地一帯をいう。武蔵七党の一つ村山党の領域で、現在は東村山市、東大和市、武蔵村山市、西多摩郡瑞穂町(みずほまち)などの地域。

[編集部]

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世界大百科事典(旧版)内の村山の言及

【武蔵村山[市]】より

…東京都中北部の市。1970年村山町が市制,改称。人口6万7015(1995)。…

※「村山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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