村垣定行(読み)むらがき・さだゆき

朝日日本歴史人物事典 「村垣定行」の解説

村垣定行

没年天保3.3.10(1832.4.10)
生年:宝暦12(1762)
江戸後期の松前奉行,勘定奉行。軌之。御庭番の家に生まれる。寛政期(1789~1801)に御庭番として全国各地に派遣。文化1(1804)年1月勘定吟味役に抜擢され,以後主に勘定所で政策遂行の実務に当たる。同2年8月から1年間をかけて蝦夷地視察。同4年10月には西蝦夷地上知に伴い,松前奉行に就任し蝦夷地経営の実務に当たった。文政1(1818)年9月には勝手方勘定奉行となり,老中水野忠成の勝手掛就任に伴う幕府財政転換の実務を担った。御庭番から勘定奉行にまで昇進したように,非常な能吏であった。<参考文献>深井雅海「徳川幕府御庭番の基礎的研究」(『徳川将軍政治権力の研究』)

(安藤優一郎)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「村垣定行」の解説

村垣定行 むらがき-さだゆき

1762-1832 江戸時代後期の武士
宝暦12年生まれ。村垣範正(のりまさ)の祖父。家は代々幕府の庭番。勘定吟味役に登用され,文化2年目付の遠山景晋(かげみち)と西蝦夷(えぞ)地を見分した。のち松前奉行,作事奉行をへて文政元年勘定奉行となった。天保(てんぽう)3年3月10日死去。71歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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