20世紀日本人名事典 「村上 浪六」の解説
村上 浪六
ムラカミ ナミロク
明治・大正期の小説家
- 生年
- 慶応1年11月1日(1865年)
- 没年
- 昭和19(1944)年12月1日
- 出生地
- 大阪・堺
- 本名
- 村上 信(ムラカミ マコト)
- 別名
- 別号=ちぬの浦浪六,眠獅庵,無名氏
- 経歴
- 明治18年上京して農商務省の官吏になるが、政治家その他を夢みて各地を転々、大金を手にすると豪遊し、貧窮生活をすることをくり返す。23年郵便報知新聞社に入社し、24年「三日月」を発表、発表と同時に好評をもってむかえられたが文学的野心はなく、年末に退社。後、東京朝日新聞社に入社し「鬼奴」「当世五人男」などを発表したが、29年に退社。文壇での交遊は狭く、むしろ政財界に顔が広く、野心もあったので、作風は大衆的であった。作品では人生議論が多いが、大正11年発表の「時代相」以降文壇の表面に出ず、米相場、大連取引所設立などで活躍した。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報