李迪(読み)りてき

精選版 日本国語大辞典 「李迪」の意味・読み・例文・類語

り‐てき【李迪】

中国南宋画家徽宗の宣和画院に仕え、のち高宗の紹興画院に復職し、金帯を賜わったと伝えられるが、現存作品の年記から南宋の孝・光・寧宗の三朝一一六三‐一二二四)に歴仕した画院画家と考えられている。院体花鳥画の代表的画家。代表作紅白芙蓉図」。生没年未詳。

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デジタル大辞泉 「李迪」の意味・読み・例文・類語

り‐てき【李迪】

中国、南宋の画家。河陽河南省)の人。宋代院体花鳥画を代表する画家とされ、山水画・動物画にもすぐれた。生没年未詳。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「李迪」の意味・わかりやすい解説

李迪
りてき

生没年不詳。中国、南宋(なんそう)の画院画家。河陽(河南省孟(もう)県)出身、一説に臨安(浙江(せっこう)省杭州(こうしゅう))の人。活躍期は南宋の中期孝宗光宗(在位1162~94)とその前の高宗かあるいは後の寧宗の3代に仕えたと推定される。花鳥、竹石、鳥獣画に優れ、その花鳥画は南宋院体花鳥画を代表するもので、遺品に、慶元3年(1197)の落款をもつ国宝の『紅白芙蓉図(ふようず)』(双幅、東京国立博物館)、同じく国宝の『帰牧図(きぼくず)』(奈良・大和(やまと)文華館)がある。いずれも気品に満ちた繊細な墨の輪郭線と鮮麗な彩色とによる写生画法のうちに、豊かな情趣を示す作品である。

[星山晋也]

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改訂新版 世界大百科事典 「李迪」の意味・わかりやすい解説

李迪 (りてき)
Lǐ Dí

中国,南宋時代の画家。生没年不詳。銭塘(杭州)の人。孝宗・光宗・寧宗朝(1163-1224)に活躍し,画院祗候となった。雑画を描き,花竹鳥獣に特にすぐれていると評された。代表作は《雪中帰牧図》(大和文華館),《紅白芙蓉図》(東京国立博物館)。
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百科事典マイペディア 「李迪」の意味・わかりやすい解説

李迪【りてき】

中国,南宋代の画家。生没年不詳。作品の年記から12世紀後半に活躍したと考えられる。花鳥,竹石を得意とし,ことに東京国立博物館に伝わる《紅白芙蓉図》(1197年)は,細密な描写と艶麗な彩色による傑作で,当時の院体花鳥画の特色を示す貴重な作例。
→関連項目院体画

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「李迪」の意味・わかりやすい解説

李迪
りてき
Li Di

中国,南宋前期の画院画家。活躍期は 12世紀後半。河陽 (河南省孟県) の人。画院待詔となり花鳥,竹石を得意とし,繊細な筆線と鮮麗な彩色が特色。代表作は国宝『帰牧図』 (大和文華館) ,同『紅白芙蓉図』 (東京国立博物館) 。子の李徳茂も淳祐年間 (1241~52) に画院待詔となった画家。

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