杆菌(読み)かんきん

百科事典マイペディア 「杆菌」の意味・わかりやすい解説

杆菌【かんきん】

形態棒状または長楕円状で長径短径がある細菌。曲がっていてもよいが,らせん状を呈しない。結核菌大腸菌腸チフス菌など多くの細菌が含まれるが,枯草菌炭疽(たんそ)菌のように胞子をつくるものがあるのは杆菌の特徴
→関連項目ガス壊疽コリスチン根粒菌細菌酢酸発酵サルモネラ菌ジフテリア菌赤痢菌腸炎ビブリオ軟性下疳菌乳酸菌破傷風菌パラチフス菌百日咳菌プロテウス菌ペスト菌放線菌ボツリヌス菌癩菌緑膿菌霊菌

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改訂新版 世界大百科事典 「杆菌」の意味・わかりやすい解説

杆菌 (かんきん)
bacillus

形態上の細菌分類の一つ。球菌螺旋(らせん)菌などに対して細長い細菌をいう。動物や植物の体内に住み着く細菌の大部分は,この杆菌である(たとえば根粒菌や腸内細菌など)。長さの短いものは短杆菌,長いものは長杆菌と呼ばれる。短杆菌は,インフルエンザ杆菌のように,長さが短いために球菌と区別しがたいものがある(インフルエンザはインフルエンザウイルスによって引き起こされるが,インフルエンザ杆菌は二次的な合併症を引き起こす病原菌の一つである)。杆菌には,細菌が連鎖状に連なった連鎖杆菌や,コリネ型菌のように,複数の細菌がくっついてV・Y・L字形や平行状の配列をとるものがいる。杆菌には胞子を形成するものとそうでないものがあり,胞子を形成する杆菌には,好気性ないし通性嫌気性であるバチルスBacillusと,嫌気性菌であるクロストリジウムClostridiumとがある。
細菌
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世界大百科事典(旧版)内の杆菌の言及

【細菌】より

…多くの場合,適当な色素によって細菌を染色してから顕微鏡観察が行われる。細菌はその外形の上から,球菌杆菌,らせん菌に大別される。細菌のなかには,細胞分裂後に細菌どうしが離れずに,互いにくっつき合って配列するものがある。…

※「杆菌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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