普及版 字通 「朱(漢字)」の読み・字形・画数・意味
朱
常用漢字 6画
[字訓] あか・あけ
[説文解字]
[金文]
[字形] 象形
木の幹の部分に、肥点を加えた形。〔説文〕六上に「赤心の木、柏の屬なり」という。本・末も同じようにその部位を示す指示的な造字法であるから、朱を株部を示す字と解することもできようが、金文においては朱は丹朱の意に用い、朱(しゅふつ)・朱黄(衡)といい、字をまたに作ることがある。は丹朱の製法に関する字であるらしく、西周の金文に、家臣の葬にあたってを賜うた例がある。の穴の部分は、蓋の左右に蒸気抜けの穴のある形で、おそらく朱沙を固めて木に著け、それを薫蒸して水銀を分離するアマルガム精錬法のような方法がとられたのであろう。殷墓の槨室からは朱塗りの明器や、またその朱の雕文がそのまま土に附著して残された花土などが、多く出土している。
[訓義]
1. あか、あけ、丹朱。材料は丹沙、朱沙。漆(うるし)を加えて塗飾する色を(とう)という。
2. 中心の赤い木、松柏の類。
3. 株と通じ、かぶ、木のかぶ、みき。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕朱 アカシ
[声系]
〔説文〕に朱声として珠・・誅・殊・株・など十四字を収める。珠・などは朱の声義をとるものであろう。
[語系]
朱・tjio、赭tjyaは声近く、赭は赤土をいう。赤thjyakは大(人の正面形)に火を加えて修祓する意で、これによって罪が赦されるのである。朱や赤は丹と同じく神聖な色とされた。
[熟語]
朱靄▶・朱殷▶・朱帷▶・朱楹▶・朱▶・朱炎▶・朱鉛▶・朱夏▶・朱霞▶・朱火▶・朱果▶・朱華▶・朱閣▶・朱干▶・朱汗▶・朱柑▶・朱檻▶・朱顔▶・朱▶・朱羲▶・朱▶・朱愚▶・朱景▶・朱闕▶・朱軒▶・朱弦▶・朱絃▶・朱鼓▶・朱口▶・朱公▶・朱砂▶・朱▶・朱漆▶・朱実▶・朱雀▶・朱儒▶・朱襦▶・朱裳▶・朱脣▶・朱塵▶・朱丹▶・朱竹▶・朱邸▶・朱筆▶・朱▶・朱▶・朱市▶・朱黻▶・朱墨▶・朱明▶・朱目▶・朱門▶・朱陽▶・朱欄▶・朱欒▶・朱▶・朱輪▶・朱▶・朱楼▶・朱▶
[下接語]
鉛朱・加朱・画朱・金朱・朱・口朱・霜朱・奪朱・丹朱・堆朱・朱・陶朱・墨朱・藍朱
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報