本阿弥日洲(読み)ほんあみにっしゅう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「本阿弥日洲」の意味・わかりやすい解説

本阿弥日洲
ほんあみにっしゅう
(1908―1996)

刀剣研磨師。本名猛夫(たけお)。刀剣の研磨・鑑定を業とする平井千葉(ちば)の長男として東京に生まれる。父について研磨・鑑定の手ほどきを受け、15歳から同業の本阿弥琳雅(りんが)(成善(せいぜん))に師事。19歳で琳雅の養子となる。本阿弥家は光心(こうしん)の三男光意(こうい)の興した家系で、15代平十郎(へいじゅうろう)成重は金肌拭(かなはだぬぐ)い法を発案した近代研磨の創始者。養父琳雅がこの家督を継ぎ、実父千葉は明治から大正末まで活躍して名人とうたわれたが、日洲はこの両者から刀剣の研磨と鑑定を学んだ。1975年(昭和50)刀剣研磨で重要無形文化財技術保持者に認定された。

[小笠原信夫 2018年7月20日]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「本阿弥日洲」の解説

本阿弥日洲 ほんあみ-にっしゅう

1908-1996 昭和-平成時代の刀剣研ぎ師。
明治41年2月23日生まれ。父の平井千葉(ちば),のち本阿弥琳雅(りんが)に師事。昭和3年本阿弥家の養子となる。伊勢神宮宝刀をはじめ,伝統的な刀剣類の研磨で知られた。文化財保護委員会審査委員などをつとめ,50年刀剣研磨で人間国宝。子の本阿弥光洲も人間国宝。平成8年7月13日死去。88歳。東京出身。大倉商業(現・東京経済大)卒。本名は猛夫。

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