本間(読み)ほんま

精選版 日本国語大辞典 「本間」の意味・読み・例文・類語

ほん‐ま【本間】

〘名〙
① 控えの間、または次の間に対する本部屋。特に、江戸吉原遊郭で、座敷持ちの上級女郎が起居する部屋で、床の間違い棚がある広い座敷
※浮世草子・風流誮平家(1715)二「祇王とて本間(ホンマ)をはたらき」
洒落本通言総籬(1787)二「本間の天井には四季の艸いろいろ」
本式と定められた一間の長さ。京間六尺五寸と同じところもあるが、地方により、実長は異なる。ほんけん。
※長宗我部氏掟書(1596)七三条「城普請、其外何によらず、本間六尺五寸間たるべし」
邦楽で、基本的なリズム
舞曲扇林(1689頃)一九「拍子の程八ツと云事、ほん地の間、あまだれ拍子にて指を折その程をつもるに、八ツ也。さればこそ本間(ホンマ)といへり」
謡曲の地拍子で、一句の謡い出しが第一拍の直前からのもの。

ほん‐けん【本間】

〘名〙
曲尺(かねじゃく)六尺(約一・八二メートル)の長さ。
楽器の長さで、正式の標準のもの。和琴では長さ六尺(約一・八二メートル)、箏では六尺五寸(約一・九七メートル)のもの。
細雪(1943‐48)〈谷崎潤一郎〉中「光琳菊蒔絵のある本間(ホンケン)の琴」

ほんま【本間】

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「本間」の意味・読み・例文・類語

ほん‐ま【本間】

家屋の畳の大きさで、本式とされるもの。地方により異なる。
邦楽で、基本的なリズム。
謡曲で、文句の第1音が第1拍の半拍前からうたいだされるもの。
江戸吉原で、座敷持ちの遊女がふだんいる部屋。
「―へ入ってお休みなんし」〈洒・錦之裏

ほん‐けん【本間】

尺度の一。曲尺かねじゃくで、6尺すなわち約1.8メートルの長さ。
和琴わごん屏風びょうぶなどの、長さ6尺のもの。

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