本栖郷(読み)もとすごう

日本歴史地名大系 「本栖郷」の解説

本栖郷
もとすごう

戦国期に九一色郷と総称された九ヵ郷の一。本須とも記し、現在の本栖一帯に比定される。「高白斎記」の天文一四年(一五四五)八月五日条に「本須迄温丹為同心行」とみえ、武田晴信と駿河今川義元・相模北条氏康との同盟締結交渉のため、晴信の側近駒井高白斎政武と温井丹波守が駿河へ赴く際に本須へ立寄っている。当地は中道なかみち往還の甲駿国境近くの交通拠点として重要視され、本栖城と関所(番所)が置かれていた。同年九月二二日には晴信が軍勢を率いて中道往還を南下し、本須御陣所(本栖城か)に到着し、同一九年二月一日には今川義元の使者三浦内匠助が甲府へ参上し、その帰途に当地で宿泊している(同書同日条)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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