本場(読み)ほんば

精選版 日本国語大辞典 「本場」の意味・読み・例文・類語

ほん‐ば【本場】

〘名〙
① その事の行なわれる正式の場所。また、その事が盛んに行なわれる場所。本場所
※俳諧・芭蕉葉ぶね(1817)「終に雑俳となりて本場の哲には入がたきもの也」
② その物を主として産出する土地
朝野新聞‐明治一〇年(1877)一〇月一三日「本場の品物にあらざれば買入れず」
取引所で、午前の立会をいう語。前場(ぜんば)

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デジタル大辞泉 「本場」の意味・読み・例文・類語

ほん‐ば【本場】

ある物事本式に行われる場所。また、盛んに行われている所。「本場フランス料理」「本場仕込み」
ある物の本来産地。また、主要・有名な産地。「ワイン本場
取引所で、午前中の立ち会い。前場ぜんば
[類語]産地原産地主産地米所茶所中心地メッカ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「本場」の意味・わかりやすい解説

本場
ほんば

広義には正式の場所のこと。農業では種子生産の用語。すなわち、作物の種子を生産するには、特定の技術と好適な土壌や気候環境とが必要とされる。そのために昔からそれぞれの作物の種子について特定の産地が形成された。これを種場(たねば)といい、種場以外で生産された種子は品質がやや劣るので場違い種子、そして場違いに対して種場を本場とよんだ。作物の生産物についても同様のことがいえるので、良質の産物を出す主産地を本場といい、さらに一般的に農作物以外のものや事象についても主産地や中心地を本場という。

[星川清親]

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