木酢(読み)キズ(英語表記)wood vinegar

翻訳|wood vinegar

デジタル大辞泉 「木酢」の意味・読み・例文・類語

き‐ず【木酢】

ユズダイダイなどの果実絞り汁料理に酢として使用する。 秋》
[類語]食酢生酢きずポン酢ポンス三杯酢二杯酢梅酢酢醤油酢味噌ビネガーバルサミコ酢

もく‐さく【木酢/木×醋】

木材乾留で得られる、酢酸を多量に含む液。メチルアルコールアセトンなども含む。防腐剤などに使用。木酢酸木酢液。もくす。

もく‐す【木酢】

もくさく(木酢)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「木酢」の意味・わかりやすい解説

木酢
もくさく
wood vinegar
pyroligneous acid

木材を乾留して得られる液体を静置すると二層に分かれるが、そのうち上層を木酢あるいは木酢液といい、下層木タールという。木酢には木タールの一部が、木タールには木酢の一部が溶けている。木酢は黒褐色の特有な刺激臭のある液体で、80~90%が水であるが、その他の主成分は、ギ酸、酢酸その他のカルボン酸メタノール(メチルアルコール)、アリルアルコールなどのアルコール、ホルムアルデヒドアセトアルデヒドフルフラールなどのアルデヒド、アセトン、エチルメチルケトンなどのケトンアンモニアピリジンなどの塩基トルエンキシレンなどの炭化水素などである。通常、乾留液から木タールを除き、木酢液を石灰乳で中和してから蒸留し、比重1以下の留分を集めて精製してメタノールを取り出し、残液は蒸発乾燥して酢石にし、これから酢酸またはアセトンを得ることができるが、現在工業的にはこれらの方法は行われていない。

[中原勝儼]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「木酢」の意味・わかりやすい解説

木酢
もくさく
wood vinegar

木材を乾留して得られる液体は2層になるが,そのうちの上層部を木酢という。主としてメチルアルコールと酢酸から成るが,ほかにギ酸などの低級脂肪酸,酢酸メチル,ホルムアルデヒド,アセトアルデヒド,フルフラール,アセトン,メチルエチルケトン,ジエチルケトン,アンモニア,メチルアミン,ピリジン,トルエン,キシレンなど数多くの有機化合物が含まれている。この木酢は,かつては毛皮のなめしに用いられ,メチルアルコールや酢酸の製造にも利用されたが,現在ではほとんど用いられていない。 (→木タール )

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動植物名よみかた辞典 普及版 「木酢」の解説

木酢 (キズ)

植物。ミカン科の常緑低木,園芸植物。スダチの別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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