木場(東京都)(読み)きば

日本大百科全書(ニッポニカ) 「木場(東京都)」の意味・わかりやすい解説

木場(東京都)
きば

東京都江東区(こうとうく)中央南部にある地区。17世紀後期に東京湾岸の浅い部分を埋め立て、1701年(元禄14)江戸幕府が材木問屋に払い下げて町屋を開いたのが始まり。縦横堀割が通じ、その水路を木置場(きおきば)としたことが地名となった。東京地下鉄東西線が永代(えいたい)通りに通じ、木場駅がある。筏(いかだ)を操る川並(かわなみ)の姿は江戸情緒として明治以後も残り、1975年(昭和50)ごろまでは約500の材木問屋、製材所が集中した。しかし、地盤沈下による水面の上昇のための橋下通行困難などで、14号埋立地(夢の島の南部、新木場)に移転したことにより、木場のかつての景観は変貌(へんぼう)した。木場の西側には富岡八幡(とみおかはちまん)、深川不動がある。この地に残る角乗(かくの)りは都の無形民俗文化財。

沢田 清]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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