朝凪(読み)あさなぎ

精選版 日本国語大辞典 「朝凪」の意味・読み・例文・類語

あさ‐なぎ【朝凪】

〘名〙 朝、陸風海風が吹き変わる時の現象で、海辺の風が一時止まること。⇔夕凪。《季・夏》
万葉(8C後)一三・三三〇一「神風(かむかぜ)伊勢の海の 朝奈伎(あさナギ)に 来よる深海松(ふかみる) 夕凪に 来よる俣海松(またみる)

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デジタル大辞泉 「朝凪」の意味・読み・例文・類語

あさ‐なぎ【朝×凪】

海岸地方で、陸風から海風に交代する朝方に、一時無風状態になること。 夏》「―や渡島づとめの造船工/不死男」⇔夕凪ゆうなぎ
[類語]夕凪凪ぐ

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改訂新版 世界大百科事典 「朝凪」の意味・わかりやすい解説

朝凪 (あさなぎ)
morning calm

海岸地域で朝方現れる無風に近い状態をいう。海面水温は1日を通してあまり変わらないが,陸地面温度は夜間に低く,日中高くなる。そのため,夜間,陸から海に向かう陸風が吹き,日中は逆に海から陸に向かう海風が吹く。両者の交代時にしばらく風が吹かなくなり,陸風から海風に交代する朝方の無風状態を朝なぎ,海風から陸風に交代する夕方のそれを夕なぎevening calmと呼んでいる。
海陸風
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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「朝凪」の解説

あさなぎ【朝凪】

福岡の日本酒。酒名は、明治天皇の歌「豊かにも雪ぞつもれる秋津島めくみの海は朝凪にて」にちなみ命名大吟醸酒から普通酒までをそろえる。平成4、5、7、9、11、15、16年度全国新酒鑑評会で金賞受賞。原料米は山田錦など。仕込み水は耳納(みのう)山系伏流水蔵元の「朝凪酒造」は寛政6年(1794)創業。所在地は久留米市善導寺町飯田。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「朝凪」の意味・わかりやすい解説

朝凪
あさなぎ

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