精選版 日本国語大辞典 「朝・明日」の意味・読み・例文・類語
あした【朝・明日】
〘名〙
① 夜が明けて明るくなった頃。あさ。古くは、夜の終わった時をいう意識が強い。⇔ゆうべ。
※源氏(1001‐14頃)初音「あしたの程は、人々参りこみて、ものさわがしかりけるを」
③ (転じて) 次の日。翌日。明日。あす。
※書紀(720)白雉四年五月(北野本訓)「若し法師今日亡(し)なば、朕(われ)従ひて明日(アシタ)亡(し)なむ」
④ 朝の食事。朝食。
[語誌](1)古く、アシタとアサとは、同じ「朝」の時間帯を指したが、アサが「朝日・朝霧・朝夕」など複合語の前項として多く用いられ、平安時代以前には単独語の用例がまれだったのに対し、アシタは単独語としての使用が普通で、複合語としては「朝所」くらいであるという違いがあった。
(2)アサには「明るい時間帯の始まり」の意識が強い(「朝まだき」「朝け」)のに対し、アシタには「暗い時間帯の終わり」に重点があった。そのため、前夜の出来事を受けて、その「翌朝」の意味で用いられることが多く、やがて、ある日から見た「翌日」、後には今日から見た「明日」の意に固定されていく。この意味変化と呼応しつつ、アサが専ら「朝」を指す単独語となり、ユフベが「昨夜」を示すようになった。
(2)アサには「明るい時間帯の始まり」の意識が強い(「朝まだき」「朝け」)のに対し、アシタには「暗い時間帯の終わり」に重点があった。そのため、前夜の出来事を受けて、その「翌朝」の意味で用いられることが多く、やがて、ある日から見た「翌日」、後には今日から見た「明日」の意に固定されていく。この意味変化と呼応しつつ、アサが専ら「朝」を指す単独語となり、ユフベが「昨夜」を示すようになった。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報