有職(読み)ゆうしょく

精選版 日本国語大辞典 「有職」の意味・読み・例文・類語

ゆう‐しょく イウ‥【有職】

〘名〙
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「さるは、いみじきいうしょくなり」
② 天台・真言宗僧職已講(いこう)内供(ないぐ)阿闍梨(あじゃり)をいう。うしき
塵添壒嚢抄(1532)一四「已講 内供奉 阿闍梨〈是謂有識(ユウショク)也〉」
宮中役職任務をもつこと。現代では、ひろく職業に就いていること。〔日葡辞書(1603‐04)〕

う‐しき【有職】

〘名〙 僧の職名。已講(いこう)、内供(ないぐ)、阿闍梨(あじゃり)総称で、僧綱(そうごう)に次ぐといわれる。
大鏡(12C前)五「御さきに、有職、僧綱どものやんごとなき候」

ゆう‐そこ イウ‥【有職】

※宇津保(970‐999頃)菊の宴「かのぬしいうそこなれど、この道になれば、かくこそはあれ」

ゆう‐しき イウ‥【有職】

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デジタル大辞泉 「有職」の意味・読み・例文・類語

ゆう‐そく〔イウ‐〕【有職/有識】

朝廷公家儀式行事官職などに関する知識。また、それに詳しい人。
学識のあること。また、その人。学者
「いと―の物のかぎりなむなりかし」〈宇津保嵯峨院
諸芸にすぐれていること。また、その人。
「―のおぼえ高きその人」〈・若菜下〉
教養・才知・家柄・容貌などのすぐれていること。また、その人。
「およそ何事にも―に」〈大鏡・実頼〉
[補説]原義2の意で「有識」と書いたが、1の意が生じて「有職」とも書くようになった。

う‐しき【有職】

僧職で、已講いこう内供ないぐ阿闍梨あじゃりの三つの総称。僧綱そうごうに次ぐ地位とされる。有職三綱さんごう。有職正三綱。

ゆう‐そこ〔イウ‐〕【有職】

ゆうそく(有職)」に同じ。
「かのぬし―なれど」〈宇津保・菊の宴〉

ゆう‐しょく〔イウ‐〕【有職】

職業をもっていること。有業。「有職の女性」
ゆうそく(有職)

ゆう‐しき〔イウ‐〕【有職】

ゆうそく(有職)

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百科事典マイペディア 「有職」の意味・わかりやすい解説

有職【ゆうそく】

有職故実

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普及版 字通 「有職」の読み・字形・画数・意味

【有職】ゆうしよく

職司。

字通「有」の項目を見る

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