有機工業色素(読み)ゆうきこうぎょうしきそ

世界大百科事典(旧版)内の有機工業色素の言及

【色素】より

…固有の色をもつ物質であっても,色の濃さが著しく小さいものは色素とはいい難い。色素と総称されるものには,動物や植物より得られる天然色素(生体色素),天然物である鉱物をごく簡単な処理で加工した鉱物色素,無機の原料より化学的操作を経て着色を目的として造られた無機顔料,有機合成によって製造された有機工業色素が含まれる。とくに最後の有機工業色素は,色素の中で量的にも金額的にも,あるいは実用範囲の広さにおいても最も大きな部分を占め,主として繊維を染色する目的の染料,各種の材料を着色する有機顔料(この2者には化学的な区別はつけ難い)のほかに,指示薬,生体染色用色素,臨床検査用色素,食品・医薬品・化粧品用色素,写真用色素,感圧・感熱色素,文具用色素など数多くの実用的な色素が含まれる。…

【染料】より

…また不溶の粉体としてビヒクル(展色剤)に分散状態で使用されるため,ビヒクル中の顔料はかなり高度に凝集した形をとるであろう。そのような差は存在するとしても,染料と有機顔料は基本的に同属であるので,両者をまとめた形で有機工業色素と呼ぶこともある。両者とも着色剤として使用されるため,美麗鮮明な色とともに,日光,洗濯,水洗,摩擦などに対する堅牢度が要求され,顔料の場合はとくに耐水性,耐油・薬品性,耐熱性も重要である。…

※「有機工業色素」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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