有弐郷(読み)うにごう

日本歴史地名大系 「有弐郷」の解説

有弐郷
うにごう

和名抄」高山寺本は「宇尓」、東急本は「宇爾」の訓を付す。「止由気宮儀式帳」には「天平賀宮柱諸木本、別置員弐仟余口造、多気郡宇弐郷人夫等」とあり、遷宮時に天平賀ほかの造作を負担。また「神宮雑例集」によれば有爾うに村から土器を貢進している。「延喜式」神名帳には「宇尓ウニノ神社」「宇尓桜神ウニサクラノ神社」「有弐ウニノ神社」の三座を記す。「外宮神領目録」には諸郷祭料として「三石有爾郷」、「神鳳鈔」に「有爾郷」がみえる。郷内には富墓とつか御厨・池上いけべ御園などの神宮領、東寺領の大国おおくに庄・川合かわい庄などの所領が散在。康永三年(一三四四)の法楽寺文書紛失記(京都市田中忠三郎氏蔵文書)によれば、郷内の条里地名は八木倉里・一〇馬橋里、一二条榎撫里、一三条二石淵里、一四条三大分里・四川田里・五倉子里、一五条八石坂里、二〇条一〇御本里など、村名は鳥墓とつか・池上・土羽とば野中のなか田中たなかの各村がみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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