日本大百科全書(ニッポニカ) 「有度山」の意味・わかりやすい解説
有度山
うどやま
静岡市にある丘陵性の山。標高307メートル。「うどさん」ともいう。山地は更新世(洪積世)に堆積(たいせき)したかつての安倍(あべ)川の砂礫(されき)層や、海成の泥層からなり、ドーム状隆起運動によって形成された。南は駿河(するが)湾、東は清水港の海に面して海食崖(がい)の急斜面をもつが、北と西側は広い平坦(へいたん)面が残って台地状の地形となり茶園が分布する。東斜面はミカン、南の海食崖下から海浜にかけてはイチゴの栽培地である。山頂付近の平坦面は日本平(だいら)とよばれ、富士の眺望は絶景である。山頂南方の久能山(くのうざん)の東照宮は、登呂(とろ)遺跡、三保松原(みほのまつばら)とともに観光地で名高い。西麓(せいろく)には日本平動物園がある。
[北川光雄]