有なくに(読み)あらなくに

精選版 日本国語大辞典 「有なくに」の意味・読み・例文・類語

あら【有】 なく に

(「なく」は、打消の助動詞「ず」のク語法で、ないことの意。「に」は感動を表わす古代助詞)
① ないことだなあ。
万葉(8C後)一八・四〇三七「乎敷(をふ)の崎漕ぎ徘廻(たもとほ)り終日(ひねもす)に見とも飽くべき浦に安良奈久爾(アラナクニ)
② (多くの場合、前後関係から逆接の気持がこもって) ないことなのになあ。ないのに。
※万葉(8C後)二・一五四「ささなみの大山守(おほやまもり)は誰(た)がためか山に標(しめ)(ゆ)ふ君も不有国(あらなくに)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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