最早(読み)いとはや

精選版 日本国語大辞典 「最早」の意味・読み・例文・類語

いと【最】 早(はや)

(「はや」は形容詞「はやし」の語幹)
① たいそう早く。もう。
※続古今(1265)秋上・二九〇「吹きそめていくかもあらぬ秋風にいとはや袖の露けかるらむ〈藤原実雄〉」
② 今となっては。もはや。
浮世草子・風流曲三味線(1706)六「最早(イトハヤ)こなたは頼まぬ。お帰りなされて下され」

も‐はや【最早】

〘副〙
現時点において、継続してきた事柄に区切りをつけたり、すでにある状態になっていることを認めたりする気持を表わす語。現在に至っては。もう。すでに。「もはやこれまで」
※謡曲・葵上(1435頃)「葵の上のおん物の怪、もはやよくござあらうずると存じたれば」
② ある事態が実現しようとしているさま。はやくも。まさに。「もはや日も暮れようとしている」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「最早」の意味・読み・例文・類語

も‐はや【最早】

[副]
ある事態が実現しようとしているさま。早くも。まさに。「最早今年も暮れようとしている」
ある事態が変えられないところまで進んでいるさま。今となっては。もう。「最早如何ともしがたい」「最早これまで」
[類語](1畢竟ひっきょう結局矢張り所詮しょせんどの道何れにしても結句ついとどの詰まり詰まるところ帰するところせんずるところ要するにいずれどうせつまりとうとういよいよ挙げ句挙げ句の果て差し詰め究竟きゅうきょう果ては何と言ってもどっち道とにかく何しろ何せ何分なにぶん何分にもなんにせよともかくともかくもともあれとまれとにもかくにもそれはともあれ遅かれ早かれ善かれ悪しかれ/(2早早はやばや早早そうそう早め尚早もうはや早くも今やすでとっくにとうにとうの昔とっくの昔つとに先刻

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