精選版 日本国語大辞典 「最乗寺」の意味・読み・例文・類語
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箱根外輪山
了庵から八世吾宝宗までは独住制であったが、九世在仲宗宥から明治七年(一八七四)まで輪住制となり、文明一〇年派下
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神奈川県南足柄(みなみあしがら)市大雄(だいゆう)町にある曹洞(そうとう)宗の寺。大雄山(だいゆうさん)と号し、道了権現(どうりょうごんげん)、道了尊(そん)、または小田原道了薩埵(さった)ともいわれる。大山(おおやま)不動、川崎大師とともに神奈川県の三大名刹(めいさつ)の一つ。本尊は釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)。1394年(応永1)了庵慧明(りょうあんえみょう)が弟子の道了薩埵の助力を得て創建。道了薩埵は神通(じんずう)力をもっていたといわれ、師の命によって井戸を掘るうちに鉄印を掘り当て、そこから清泉が湧(わ)き出したと伝えられる。この鉄印は御金印(おかないん)といい、この寺第一の霊宝とされる。最乗寺了庵派16派は関東の曹洞宗のなかで一大勢力をなし、江戸時代末まで栄えた。道了薩埵は道了大権現として崇(あが)められ、師の死後、仏法を守護すべしとして天狗(てんぐ)となったという伝説から、大烏天狗(おおからすてんぐ)信仰を生じ、寺には九葉の羽団扇(はねうちわ)や天狗が履く鉄製の大下駄(げた)が祀(まつ)られている。民間信仰者も多く、東京、神奈川を中心に多数の道了講が結成されている。宗門の若い禅僧が修行する専門道場としても名高い。
[菅沼 晃]
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